ミシュラン星付きレストラン 三つ星人気 一方、閉店二つ星も(産経新聞)

 レストランを格付けする『ミシュランガイド』。1日に発表された本家『フランス版2010』で紹介されたパリの三つ星店は10店にとどまり、11店が三つ星と評価された東京(2010年版)は、三つ星店の数で世界一を保った。昨秋、『京都・大阪版』が発売された際には、書店に行列ができたほどグルメに関心が高い日本。だが、長引く不況で外食の機会は減っている。三つ星店が人気をみせる一方で、星を獲得しながら閉店する店も出ている。(道丸摩耶)

 ◆ランチ利用がお得

 平日の昼間、『ミシュラン東京』で一つ星を獲得したフレンチレストランを予約なしで訪れた。

 ゆったりした店内には、商談中とおぼしき外国人客や女性の2人組など数組の客。すぐに店内に通され、ランチメニューが運ばれてきた。料理もサービスも申し分なく、コース料理は3千円台からと予想より安い。週末や夜は分からないが、平日昼なら予約不要で待たずに入れそうだ。

 だが、同じランチの利用でも、三つ星店となると違う。3年連続で三つ星を獲得したフレンチレストラン「ロオジエ」(東京都中央区)に電話を入れてみた。

 「土曜の昼は6月末まで満席です。3月1日から6月分の予約を受けたのですが、すぐに満席になってしまって…」(同店)

 『京都・大阪版』でも調べてみた。

 ミシュランに掲載されると海外からの客が増えるが、日本には紅葉や桜など外国よりはっきりとした観光シーズンがある。京都の三つ星店はいずれも観光地の近く。ある三つ星店に予約状況を聞くと、「これから桜の季節なので、予約は難しい」との回答だった。

 ◆星獲得しても…

 「日本フードジャーナリスト会議」代表の放送作家、わぐりたかし氏は「『京都・大阪版』が発売された昨秋も観光シーズン真っ最中。ある三つ星店では外国語を話せるスタッフを置いて、満席だと断り続けたそうです」と明かす。

 しかし、そんなミシュラン特需の一方で、消えていく店もある。前回より24店多い197店が紹介された『ミシュラン東京2010』だが、今回初めてガイドに載ったのは43店。つまり、『2009』にあった19店が消えているのだ。

 「19のうち2店は閉店した店。特に二つ星のフレンチ『ピエール・ガニェール』が昨年、経営悪化で閉店したのは大きな衝撃でした」(わぐり氏)

 閉店によって掲載されなくなった店はほかにもある。2009年版では、前年に載っていた4店が閉店によって掲載から外れた。

 ミシュラン効果も不況には勝てないのか。

 「東京の三つ星店が多いのは飲食店そのものが多いから。2割は放っておいても消えると言われているうえ、この景気。星を取ったからといってうまくいくとはかぎらない」とわぐり氏。ただ、海外では「星付きレストラン」「星付きシェフ」の威力は絶大だ。

 『フランス版2010』では、モナコにある日本食レストラン「YOSHI」が一つ星を獲得した。不況に負けず、グルメの世界では“日本”パワーがどんどん広がっている。

 ■カレー店入るといいね 「2011」を勝手に予測

 現在、調査が進められている『ミシュラン2011』。わぐり氏は「東京版は伝統ある店の紹介より、若手の発掘がテーマ。今後も開店して間もない店が一つ星を獲得するケースは多いでしょう」と予想する。

 エリアでは「神戸」が加わるという説が有力。食ジャンルでは「カレー店が入るといいね」。さらに、クーポンを導入したフランス版にならい、「日本でも掲載店で使える優待が付きそう」。

 閉店した「ピエール・ガニェール」が今月、東京・赤坂に場所を移して復活することから、一度消えた店が復活する可能性もある。

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